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遺言書がBESTとは限らない?

遺言書がBESTとは限らない?

遺言書についての相談は以前にも増してきているように思います。
昨今、終活なる言葉がテレビでも多く聞きますが、ご自身が亡くなった後のことを考える方が増えているってことでしょう。
親族関係に問題があっての相談も多いです。

私は、「遺言書を書きたい。」と相談にみえた場合でも、頭の中に 死因贈与契約 を必ず入れています。
場合によっては、こちらをお勧めすることがあるからです。

今年の春に扱った件ですが、
依頼者の女性は80歳、以前はご主人と製造業を営んでいました。
30年ほど前に、ご主人を亡くしてからは会社と従業員のため女社長としてがんばってきましたが、65歳で当時の番頭役だった従業員に会社を譲り、ご自身は出身地である三重県に移り住みました。

決して多くなはい当時の蓄えで、20坪ほどの敷地の中古住宅を購入し年金での一人暮らしを始めました。
子供には恵まれず、両親・兄妹も既に他界していて、甥姪はいましたが全くの疎遠になっていました。

そんな中、会社を継いだ方は忙しい身にもかかわらず15年間これまで年に何度も三重県まで足を運び、また金銭面でも生活をサポートし続けてくれているそうです。

「私には、この家くらいしかないですが、せめてものお礼として差し上げたい。」との事でした。

今回の案件は、推定相続人以外への遺贈が目的ですが、仮に甥姪が相手方でも取扱いは大差ないので、そこはあまり意識しないで読んでくださいね。

意向は十分わかりましたが、より深く聞き取りをします。
甥姪は総勢6名とのこと。
甥姪に遺留分はありませんから、心配が一つ減りました。

しかし、幼いころの話を聞いていたところ、両親を早くに亡くしたので学校を出るまで親類の家に兄妹それぞれ世話になっていたらしいんです。
「養子縁組は?」との問いには分からないとのこと。
その家の主人は亡くなったらしいのですが、奥さんに関してはもう何十年も連絡をとっていないので定かではない。生きていれば年齢は90歳後半。

ありえなくはないですよね。

本人の生涯戸籍を調査することにしました。
委任状をもらい、戸籍を揃えると、、、、。

してました、養子縁組。ちゃんと主人・奥さん双方と。
兄妹も4人増えました(^_^;)

奥さんも既に亡くなられていることが確認できたので、遺留分の心配なく本人の意思を実現していきましょう。

ここまでで、人間関係は説明できたと思います。

ここからが本題です。長くてすみません。

実は、10年ほど前に甥姪の兄妹2人が訪ねてくるようになりました。
幼いころの面影を携えた2人が頻繁に訪ねてきてくれることは、本人にとってとても楽しい時間だったそうです。
若い2人は楽しい話しとともに、現状の苦境なども話しました。
当時の本人は「親しい親族はあなた達だけだから、私が死んだあとはこの家をあげるわ。」と話したそうです。
どちらから話したか、「じゃあ、ちゃんと形にしましょう。」と弁護士さんに死因贈与契約書を作ってもらいました。
その直後、甥姪のお母さん(亡弟の配偶者)が困窮しているので、一時的にお金を貸してくれと、、、。
悩みましたが、一時的ならと書面もなく、現金手渡しで、なけなしの貯金を、、。

それから、もう連絡が取れないらしい。
甥姪のお母さんは知らない、関係ないの一点張り。

本人曰く、そちらのお金はもういいので、とにかく甥姪との死因贈与契約は取り消して、いま世話をみてくれている現会社社長に土地と家を遺贈したい。

深く聞き直したことで、ここまでの状況が把握できました。

ごめんなさい。
さくっと紹介するつもりが、ついつい長文になってしまいました。

お疲れでしょうから続きは連休明けにしましょう。

ではまた。

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